流動性知能と結晶性知能——年齢とともに伸びる力・衰える力
知能には「その場で考える力」と「経験からくる知恵」の2種類があります。年齢との関係と、それぞれの伸ばし方を解説します。
知能は1種類ではない
心理学では、知能を大きく2つに分けて考える理論が広く知られています。ひとつは「流動性知能」——初めての問題にその場で対応する、推論やパターン認識の力。もうひとつは「結晶性知能」——語彙や知識、経験に裏づけられた判断力です。
IQテストの数列問題や図形問題が測っているのは主に流動性知能で、クロスワードパズルや一般常識クイズが得意かどうかは結晶性知能の影響を強く受けます。同じ「頭の良さ」でも、中身はまったく別物なのです。
流動性知能は若い頃にピークを迎える
流動性知能は一般に20歳前後でピークに達し、その後はゆるやかに低下していくとされています。若い人が新しいゲームやアプリの操作をすぐに覚えてしまうのは、この力が高い時期だからです。
ただし低下のスピードには大きな個人差があり、日常的に頭を使う習慣のある人は衰えがゆるやかであることも報告されています。「使わなければ衰える、使えば保てる」が基本原則です。
結晶性知能は中高年でも伸び続ける
一方の結晶性知能は、60代頃まで伸び続けるとする研究が多くあります。語彙力、専門知識、状況を読む力、人生経験に基づく判断——これらは歳を重ねるほど豊かになっていくのです。
ベテランの職人や経営者が、若手より計算は遅くても的確な判断を下せるのは、結晶性知能の蓄積があるからです。「歳をとると頭が固くなる」という通説は、流動性知能だけを見た一面的な話にすぎません。
2つの知能をバランスよく保つには
流動性知能の維持には、新しいことへの挑戦が効果的です。初めてのパズル、慣れない道順、新しい趣味——「初体験」が脳への刺激になります。数列や論理クイズを解く習慣も、この力のトレーニングとしてうってつけです。
結晶性知能を伸ばすには、読書や人との対話を通じて知識と経験を積み重ねることです。そして興味深いことに、蓄えた知識(結晶性)は初見の問題を解くとき(流動性)のヒントにもなります。2つの知能は対立するものではなく、互いに支え合う関係なのです。
何歳からでも「頭の体操」に意味がある
年齢を理由に「もう頭は良くならない」と諦める必要はまったくありません。流動性知能の衰えは習慣でゆるやかにでき、結晶性知能はむしろこれから伸びていきます。
大切なのは、考えることをやめないこと。当サイトの潜在IQテストのような気軽なクイズでも、挑戦するたびに脳は確かに働いています。何歳であっても、今日が「頭の体操の始めどき」です。
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